入選展示作品ーーその2
『光のインスタレーション・コンペ2009』
さて、今回は、
『光のインスタレーション・コンペ2009』に入選した
才気あふれる新鋭クリエイターの作品紹介の後編です。
前半に紹介した美しい作品の中のいくつかは、
皆さんの予想外の作品、想像を超えた作品も
きっと、あったのではないかと思います。
新鋭クリエイターたちが提案するアイディアは、
ホテルアローレをキャンバスにどのように実現されたのでしょうか?
後半の最初にご紹介する作品は、
『wappa-空間に揺らぎを与える照明の提案-』です。
同作品は、その構造とアイディアに奥ゆかしさがある
ユニークな作品です。
鉄の板を螺旋状にレーザーカットして、
バネの山のような形状にして、
ライトを点けると、
バネ状の輪の揺れに合わせて、
天井に反射された光が波状に揺れます。
その様子はなんとも言えない和み感を
人に与えてくれるから不思議です。
作品:
wappa-空間に揺らぎを与える照明の提案-
作者:
藤井 誠(株式会社フィールドフォー・デザインオフィス)
赤澤 知也(株式会社フィールドフォー・デザインオフィス)
亀岡 夏葉(株式会社フィールドフォー・デザインオフィス)
コンセプト:
加賀の風や人の手に触れることによって、
光の波紋が生まれ、空間に揺らぎを与えます。
繊細な影を床、
天井に映し出し、自然の力に
よって光の効果をさらに高める作品です。
続いての作品は、
加賀九谷青年部の3作品です。
3作品とも「加賀」らしさを強く感じさせてくれる、
九谷焼きをベースに製作された作品です。
橙だまりは、「ひだまり」と読みます。
なかなか迫力のある作品に仕上げられていますね。
作品:
①橙だまり
作者:
渡嘉敷 愛(加賀九谷青年部)
コンセプト:
山が燈を内包しているイメージ。
LED のブルーライトは、山脈の間を流れる川が意識されている。
中から照らされるライトの灯りは、
磁器の重厚感をより強く感じさせてくれます。
次の作品の「蒼壁」は、
その名の通り、
青色の壁のような作品。
九谷焼きらしさがにじんでいますね。
作品:
②蒼壁
作者:
北出 太郎(加賀九谷青年部)
コンセプト:
焼物の口部分の切り込みの中から
あふれ出るオレンジの光の揺らぎ、
そして、胴部分に巻き付けられた青色の光の帯が、
白磁の柔らかな白を一層際立たせている作品です。
そして、
日本海は、
まさしく加賀の豊かな自然が
そのままカタチになっている作品です。
眺めていると作品から、
風雪の音が聞こえてきそうな感じですね。
作品:
③日本海-月夜の暮らし
作者:
渡嘉敷 愛(加賀九谷青年部)
道場 八重(加賀九谷青年部)
コンセプト:
赤く塗られた突起は
荒波に狂う日本海を表現し、
土に描かれた家々は柔らかな空気を創出、
ブルーライトでは波のイメージが強められ、
ろうそくのライトでは暮らしのあたたかさが
描き出されています。
こちらの作品は、
雪に着目した作品で、
蛍光管を切断してつくられた作品です。
昼間の表情と、
夜の表情に大きな差がある作品でもあります。
夜は、なかなか、この作品名にふさわしい、
雪灯りをかもしてくれます。
作品:
ゆきだまり
作者:
松尾 展秀(岡山理科大学 建築学科)
武田 明子(岡山理科大学 建築学科)
守屋 由貴衣(岡山理科大学 建築学科)
コンセプト:
加賀の雪景色は美しく、
その風景は北陸を代表する景観資源。
この作品は、雪国加賀文化を表現した庭園照明です。
積雪がない時には、
冬のなごりの雪だまりのように灯って存在し、
積雪があるときには周囲の雪とともに仄かに灯ります。
つづいてのものは、
ポータブルなかわいらしさに溢れた作品です。
シンプルなアイディアながら、
人の面影を誰かに感じさせるという
ユニークさを備えた作品。
作り手のストレートな想いと、
純粋な美しさが実現されています。
作品:
灯す火
作者:
近藤 真里瑛(東京工業大学大学院)
コンセプト:
電源コードにつながれていないため、
人々に触れられ、動かされることによって、
次に来た人々が、
前に来た人々の気配や面影を感じることのできる作品です。
草木の生えるエリア内に限られますが、
どうぞ好きな場所に動かしてみてください。
こちらは、
オブジェ的な作品です。
昼の間は立体製作物として楽しめ、
夜の間は光を灯すオブジェになります。
そして、
同作品が美しいのは、風がそよぐことによって、
その花びらの1枚1枚が揺れ動いて、
本物の植物のように見える点でしょう。
作品:
進花
作者:
小林 真人(武蔵野美術大学 建築学科)
杉村 和紀(武蔵野美術大学 建築学科)
小田 権史(武蔵野美術大学 建築学科)
コンセプト:
つぼみから花への変化を表現したモニュメント。
加賀の地に根を張り、花を咲かす様子。
それは加賀の文化が咲かした花。
未来へと進化していく花。
加賀の明るい未来を、
ほのかに、暖かく照らす作品です。
次の作品も、
加賀らしさに溢れた作品です。
第一に、その題材が「雪」に置かれています。
ガラスの球は、ひとつひとつ、作者によって吹かれたものです。
そして、無数の小さな球はひとつに繋げられて、
やすりがけをされると、
ぼんやりとした、なんとも
艶のある輝きを放つようになるのです。
作品:
雪灯り
作者:
藤掛幸智(金沢卯辰山工芸工房)
コンセプト:
イメージしたのは、雪灯り。
何かを照らすのではなく、
その場所をポッと明るくする光。
緩やかで優しいシルエットが表現するのは、
加賀の地に舞い降りる雪のやわらかさ。
小さな1つのものが集まり、
大きな1 つの作品となっています。
そして、いよいよ、後半も
最後の作品です。
こちらは、
チャペル入口に
設置される作品で、
新しい人生を踏み出すふたりの
新しい門出を祝う作品です。
一瞥しただけでは、
シンプルに見える作品も
実はとても凝っていて、
遠くから観る美しさとは別に、
近くに寄ってみる楽しさも
備えた作品だと思います。
作品:
Sign
作者:
田邊 千香子(女子美術大学芸術学部)
藤原 拡(日本大学理工学部 建築学科)
コンセプト:
鏡は加賀の今をストレートに写し出す。
加賀の風景、人、自然。陽が沈み、
辺りが暗闇に包まれ、
昼間の光に隠されていた光が現れると、
今まで見ることのできなかった景色が姿を現す。
これは、加賀のまだ見ぬ未来へのはじまりを彩る作品です。
さあ、
ズラリと並べられた、17点の入選作品はいかがでしたか?
たった30日間の短期間にアイディアを考案して、
たった1週間で準備をしたとは思えないほどの素晴らしい作品の数々だと思いませんか?
彼らの発想と情熱には、
新しい時代をつくり出そうとする、
エネルギッシュな力が宿っているようにも感じられます。
ここで紹介された作品のなかから、
2009年12月25日(金)に
最優秀賞、そして優秀賞が選ばれることになっています。
そして、その賞を決めるのは、
審査員の投票だけではなく、
来場者の1票1票が集計され、決定されます。
お時間に余裕があって、興味のある方は、
ぜひ、お友達やご家族と足を運んで、
1票を投じる本コンペに参加してみてはいかがでしょう。
ホテルの広大なランドスケープに抱かれ、
地図を片手に、
自由気ままに散策するだけでも、
気分と感性をリラックスさせて、
リフレッシュすることができるはずです。















